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ふつうに [アート]



構えないでふつうに話そう。

遠くの飛ぶ鳥を見て


自然に目を細めるようにふつうに話そう。

ぐっと背伸びをすれば


思わず気持ちのよい吐息がでてくるようにふつうに話そう。

ふつうの連続が


あなたと


あなたの周りの笑顔を増やしていくんだから。

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「お金なんかいらないわ」


金持ちが言った。


貧乏人は、その意味がわからなかった。


「お金より大切なものがたくさんあるのよ」


そうお金持ちが言った。


貧乏人は、少しだけ頷いたが、


心のなかでは、「お金がなければ何もできないだろ」って思った。


二人が一緒に食事に行くことになった。


金持ちは、いかにも高そうなレストランに行こうと言った.


貧乏人は、そんなの食べたら今月を過ごせないと思った。


おごってあげるから行こうと言われたけれど、


貧乏人は、強く首をふった。


おごってもらったら、この世の位置関係が決定してしまうと思った。


もちろん、食べたい。


きっとほっぺが落ちるほどの味がするんだろうな、って貧乏人は思った。


だけど、そのおそろしく高い料理を食べている自分を想像したら、


卑屈な自分が浮かび上がってきてつらくなった。

P1200655sinn.png

人間ってなんだろう。


お金持ちと貧乏人は、人種が違うのだろうか。


勝ち組、負け組。


生まれた瞬間から、お金持ちはお金持ち。


目覚めた瞬間から、貧乏人は貧乏人。


勝ち組、負け組。


勝負をしなくても、ずっとその差は縮まらないこの世。


石川啄木が、


「はたらけど


はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり


ぢっと手を見る」


そう歌った心境に共振してしまいそうになる。


「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ


花を買い来て


妻としたしむ」


貧乏人は、もう気が滅入ってきそうになって吐き気がした。


お金がないということは、自由がないということか。


お金がないということは、卑屈が似合うのか。


嗚呼、お金なんていらないという人は、お金のない苦しさがわからない。


戦争をしようと言う人は、戦争に行かない。


戦争をしようと言う人の家族も戦争に行かない。


寒くないという人は、寒くない所にいる。


食べなくても平気という人は、いつでも食べることができる環境にいる。


ハングリー精神が大事だという人は、


過去は別としても、もうその時には、ハングリーではない。


土俵の外にいる人は、そこに土俵があるということを知らない。


そんな人がこの世には数え切れないくらいいる。


自由競争、個性尊重、経済的自立、自己実現、能力重視


・・・すべて土俵の外にいる人たちの論理に見えてくる。


貧乏人は、考える。


「絶対、お金持ちの言うとおりにはならない。」


「土俵の外にいる人たちの思いどおりにはならない。」


「自分の幸せは、自分でつかんでやる。」


貧乏人は、未来という白い紙の上に、


自分の、自分たちの色剤を注ぎ込む努力を、今日も続ける。












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